静岡保守の会|会報9月号

保守の会会報9月号

今年は、日本に巣くう巨大な権力が、その愚劣さを晒(さら)した決定的な年だったと歴史に残るかもしれません。

森友・加計学園問題でマスコミは徹底的に籠池氏、前川喜平前文科事務次官を擁護しましたが、たちまち籠池氏は非常識な行動を起こして雲散し、前川氏は不道徳(座右の銘が面従腹背、悪所通い)かつ犯罪性向(違法な天下り斡旋と)の人間であることが明らかになってしまいました。

国会中継では元愛媛県知事の加戸守行氏が、前川氏を完全に論破しているにもかかわらず、テレビは一切国民の目に触れさせませんでした。

私はラジオのニッポン放送、高嶋秀武(たかしまひでたけ)さんの大ファンでしたが、彼までが前川氏を善人扱いに、安倍首相が友人である加計氏側に手を貸したに違いないと放送するに及んで、一体マスコミはどうなってしまったのかとほとほと呆れてしまいました。

政治に門外漢ならともかく、普通に国会の中継を見ていたなら主婦やサラリーマンでも安倍首相側になんの関係もないことがわかるはずです。

また北朝鮮による核開発と日本領土上空へのミサイル発射には、テレビプロデューサでタレントのテリー伊藤がテレビでこう話しています。

「挑発しているのは米韓」「北朝鮮は米韓の合同演習をすごく怒っている」「日本はいたずらに煽る立場じゃないんですよね」「北朝鮮にとって核というのは国防なんですよ。

別にナチスと違って、他国の領土をとろうとしているわけじゃないんですよ。核を外すってことは侍が刀をとられるのと一緒で絶対にしませんよ」

このようにどちらが悪いのか逆転した言動を、だれも止めようとしない。

もうひとつ、いまマスコミ関係者が「ネトウヨたちが日本名をつかう韓国人タレントの水原〇子を人種差別している」とさかんに拡散している件。ネトウヨはレイシスト、日本人は差別主義だと。

けれども同じような立場のタレントWに「あいつは在日だから嫌い」と今までどの日本人が言ったことがあったでしょうか。

これはこの軽率な女性が、中国のアーティストが天安門に中指を立てている写真に、インスタグラムで「いいね!」とつけたこと。

これに、中国内のネットユーザーが反日感情もあって反発したことが発端(ほったん)でした。

この時、中国市場の将来を見越して「私は現在日本に住んでいますが、父はアメリカ人、母は日本で生まれた韓国人です」と謝罪したのです。

現在、本人は差別の被害者としてツイッターで「みんな地球人である事には変わりありません。

一日も早く、この世の中の人種や性別などへの偏見がなくなってほしい」と述べていますが、もし本当にそう思っていたのなら最初の謝罪の時、「私は日本人ではないから許して」などとは言わなかったはずです。

私はこの不品行な二十代の女性を非難しようというつもりはありません。

それよりも折あらば、日本人は差別主義者だ、日本人は自尊感情を持ってはいけない、と言い続けるマスコミこそ間違っていることが言いたいのです。

どんな組織も、強大で盤石であればあるほど澱(よど)み、堕落していくものです。

社員四十代での年収は一千万円を超え、外部からの批判を許さず、テレビ業界は放送開始以来、狭い村内(むらうち)で自浄作用なくわが世の春を謳歌してきました。

平成二十七年の電波使用料はわずかに日本テレビ系列約5億円、TBS系・フジテレビ系、テレビ朝日系、テレビ東京系は約4億円となっており、これに対し事業収入は日本テレビ単独で2277億円、フジテレビ単独で3468億円となっています。

またアメリカ、イギリスのような電波のオークションもなければ、放送倫理違反に対する罰則規定もありません。この安穏の中でマスコミ人の考え方や道徳観が一般の日本人とすっかりかけ離れてしまったのです。

タレントTは「時代は変わるんだから歴史に学んではいけない」とテレビでもラジオでも言っていました。なら何をもって自らを再生できるのか。

テレビ局の軽薄な才子は古いもの、日本人が長年、心の拠り所としてきた規範や道徳を軽視しますが、彼らこそ「創業と守成といずれが難(かた)きや」「敵国外患なき者は、恒(つね)に亡ぶ」の語を持つ、貞観政要(じょうがんせいよう)などの古典を是非勉強して日本の再生に役立つよう、舵をきってもらいたいと思います。

貞観政要は唐王朝初期の政治体制の構築と要諦がつづられた書物です。徳川家康はこれを熟読し、二百六十年間に及ぶ長く安定した幕府を築きました。

参考資料




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