ビハインド・ザ・コーヴ上映会を終えて。

九月二十四日、静岡保守の会が主催致しました「ビハインド・ザ・コーヴ上映会」がグランシップ静岡映像ホールにて行われました。
映画を上映する活動はこれで二回目。

前回は島田市にて「放射線の真実を学ぶ」と題して、ロバート・ストーン監督の「パンドラの約束」を上映させて頂きました。

ビハインド・ザ・コーヴが上映会の候補として挙がったのは昨年の九月。静岡保守の会の総会にて正式に決定されたものでした。

そうして考えると約一年越しの準備で開催に至ったわけです。この映画がなぜ、上映会の候補として挙がったのか?

それは当時この映画の八木景子監督がクラウドファンディング制度を利用して、米国での上映を開催する為、募集をしていたのでした。

それに静岡保守の会も協力する形でこの映画の上映権を頂いたのです。

開催にあたって、何をするのか?どのような形で来て頂くお客様にご満足頂けるか?

準備期間の一年間で会員同士で意見を何度も出し合いました。静岡保守の会が最も得意とするのはパネル展示。

これを利用しない手はありませんから、十枚程度のパネルを展示しようという事で、静岡のクジラ文化や食事処の取材を始めていき、それにプラスして水産庁の捕鯨の部屋の資料をお借りして、十一点のパネルを作りました。

日本の捕鯨の歴史やクジラ肉の栄養素、静岡のクジラ肉の流通やクジラ肉を取り扱ったお店の紹介などをまとめ、素晴らしいミニパネル展が開催出来たことは、この上映会に華を添えました。

また静岡に流通するクジラ肉の実物を各部位の説明なども添えて展示した所、ご年配者からは「懐かしさ」若い人たちからは「珍しさ」で大いに会話が弾み、一時展示スペースとしたロビーは大盛況となりました。

一方、メインのビハインド・ザ・コーヴの上映会は一日に三回の上映時間を設けました。この事で設備担当だった私はこの映画を三回も観ることになります。

一回目を観た時、この映画では捕鯨問題の背景には政治的な背景があるとして、ベトナム戦争で大きな環境破壊を指摘されたアメリカが、世界の目を逸らさせるために日本の捕鯨をクローズアップさせたことに起因していると結んでいて、その事が大きく印象に残りました。

この事で、この映画を反米映画と評する親日アメリカ人もいるようです。

ところが二回・三回と重ねて観ていくうちに、実はこの映画が伝えたかった事は他にあるのではないかと思うようになりました。

特に映画の構成では、子供たちの学校給食の「いただきます」の場面から始まり、「ごちそうさまでした」で終わる構成になっています。

また映画全体を通して捕鯨やクジラ文化を通しての日本人の民族性に触れている部分が多様にあり、観る回数を重ねる度に新たな発見がありました。

日本の捕鯨問題にはアメリカによる政治的背景があるとしている映画ですが、一方では、マッカーサーが戦後の日本の食糧事情を踏まえて、禁止となっていた捕鯨を再開させたと伝えています。

この捕鯨再開によって、日本の男たちは家族と離ればなれになりながらも遠洋に出てクジラを獲ってくるのですが、この男たちに日本の子供たちが手紙を出して励まし勇気を与え、一方で子供たちがこの男たちに憧れを抱いていく場面が出て来ます。

また全国にはたくさんのクジラの供養塔が建立されており、捕鯨を通しての日本人の民族性が随所に出て来ます。

もしかするとこのビハインド・ザ・コーヴは当初は「ザ・コーヴ」の反証映画として作られましたが、制作していく過程で八木景子監督自身が、その日本人の民族性に触れたのではないか?

八木監督が一番伝えたかったことは他にあるのではないか? この事を報告もかねて八木監督にお聞きした所、「その通り、よく気付いてくれました。」とお返事を頂きました。

不肖ながらもその事に三回も観てやっと気付いたのですが、観る度に発見があり、観る度に日本人としての誇りが得られる良い映画だと思いました。

そしてこの映画の特質すべき点は、やはり子供たちをとても大切にしている点です。

子供たちのインタビューの場面では観客からもほっこりとした笑い声が聞こえてきました。

日本の捕鯨問題に政治的な背景があるのは事実として日本人が知っておくべき点であると思いますが、この事で日本人が反米になるとは思えません。

むしろこうした事実をお互いが踏まえた上で、より良き関係を構築して行く。

その方が自然であり、まさに日本人はそのような関係を求める民族性です。

このビハインド・ザ・コーヴ上映会を企画段階から携わって来て感じた事は、捕鯨という日本文化に触れた時、何か忘れかけていた日本人としての矜持を教えられた気がします。

長い年月を経て伝えられてきた日本の文化は、そうした忘れがちな「何か」を呼び覚まさせてくれる。そんな気がしたのでした。

あとがき

このビハインド・ザ・コーヴを多くの人に観て頂きたいと思います。

上映会はそれほど大きくないかもしれませんけれども、静岡県内でこれからも開催していくつもりでいます。

静岡保守の会ならではの上映会を今後もご提供出来るよう頑張って参ります。

ご参集頂きました皆様、本当にありがとうございました。

北井 裕文

                          




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活動報告/静岡保守の会|正しい日本の歴史や真実の情報を伝える保守団体

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