「安倍首相の出入国管理法改正」|会報30年12月号

「安倍首相の出入国管理法改正」

 唐突に安倍首相の方から、実質「移民大国」につながる出入国管理法改正が出てきて、驚きました。憲法改正が緒(ちょ)にもつかないうちに、なぜこのような法案を出さなければいけないのか。

 これに対して多くの保守系論壇人が反対の声を上げたのは全く当然のことです。

 けれどもこの一連の流れを冷静に眺めていると、違う見方もできることに気が付いたのです。この「見方」を世間にはあまり知られたくないのですが、この会報が、申し訳ないことながら、それほど社会に影響を与えたこともないのでここで書いておこうと思います。

 世間ではすっかり異文化共生ということが、善なる思想となってしまっています。教育現場だけでなく、役所でも公共施設でも、当然のごとく語られてしまっています。

 多くの人は心中、外国人が増えることを心配しているとは思いますが、市町村議員、行政の長、役人が公の場、議会、テレビの前で外国人差別、外国人排斥と言われるようなことを口にできません。そこに付け入って、すでに日本は「移民大国」と言われるほどの外国人を抱える国になってしまっているのです。

 それが一転この移民法案(通称)が出てきた途端、ほんらい異文化共生・外国人大好きな野党連中が、安倍憎さのあまり外国人流入の弊害を声高に叫ぶようになったのです。山本太郎議員の大演説は、慌て者をして「山本太郎は愛国者だ。連帯しよう」と思わしめたほどです。山本議員の演説はそれぞれ皆さんで検索してみてください。

 また世論の中に「外国人を雇うのは賃金を安くするためだ、賃金を日本人と同等にしろ」という意見が形成されたことも却って外国人雇用を阻害させる一助になりました。外国人を連れてくるだけで後は使い捨てにする悪徳企業が非難を受けるようになるのです。

 他にも外国人が自国に残した家族や知人に健康保険を使わせる問題も浮き彫りになってきました。いままでは仕方がないと黙認されてきたことです。

 この法案が安倍首相の下で通過しなかったら、無策の石破さんや岸田さんが自民党を継いで、それこそ「移民大国」そのものになっていくでしょう。ルーピーの系譜をひく岸田さんが移民法案を作ったなら間違いなく日本解体の法案になったはずです。そう考えると首相は、安倍憎しのマスコミ・野党を利用した高度な奇策を出したのだと評価できるのではないでしょうか。

 もっともこの奇策が成功するかどうか、我々はできるかぎりの注力をしていかなければなりません。ほかにも中国の一帯一路への協力に言及したことも、奇策のひとつです。マスコミ、政界、財界、大学、すべてに中国の手が伸びている中、選挙に勝っていかなければならない中、うまいけれど危うい奇策のひとつです。

 一帯一路に協力すると言っている間、中国は日本に早々手出しはできない、けれども自民党の中で調整のみで策もなくやってきた人間が首相になった時、この奇策に呑まれてしまうのではないか。心配は尽きません。よくこの四面敵、孤独の中を安倍さんはやってきたものだと感心します。静岡保守の会も、これから続く苦難の中を日本を守る為に努力していかなければと年末最後に思うところです。




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